エゾ2日目。


■ 二日目

朝、6時半ごろ。

テントの中は灼熱地獄だった。

差し込む陽の光。

最近お気に入りの岩盤石サウナにでもいるような発汗。

それでも一ミリの涼しさを頼りに

何とか眠りの糸口を手繰り寄せてみる。

っつうか寝てられるか!

昨夜の寒さが嘘の様。暑すぎる。

たまらずテントから這い出す様は煙で燻されて出てくる昆虫さながら。

テントを開けて外に顔を出してみると、

さっきまでの地獄はなんだったのかと思う程の涼風。

大阪ならば、何をやっても無駄に暑いところだが

暑さに気をとられて忘れてたけどここは北海道だった。

外に出て涼んでいるうちにすっかり気分もよくなり

相方であるなぁとも起床。

予定よりも1時間半も早くから活動を始める。

歯磨きでも…とのんきに構えたわれわれが悪かった。

水道、並びすぎ。っつうかみんな早起きだなあ。

隣のテントではまだ7時前なのにバーベキューセットをフル活用で、

焼きそば作って食べたりしてた。

朝からそんなもんよく食べれるな、あんたら。

レジャーサイトオープンが11時。

それまでにいい場所を確保すべく、列に並ぶ。

あまり並んでいない上手側を選んで、

とりあえずシートを置いて順番を待ってみる。

銭湯で仮眠してたほかのメンバーも集まり、みんなで並ぶ。

抜けるような空。どこまでも続く空。低い雲。

ああ、来ちゃったんだな…と改めて実感。

地平線を見るのが相当久しぶりなので新鮮だった。

日は照ってるのに不思議と暑くないのは、

風が心地よい温度であることだと思う。

大阪はその風が湿度も汚れも含んでいて重い。

「今並んでる順番は関係ないんで、とりあえずここに並んでもらえますかー」

とWESSの人の声を聞いて速攻、私は走った。

2時間以上も並んで、順番関係ないとかよく言えたな。

関係なくても私には関係あるので、とにかく前に並ぶ。

そういうの、改善したほうがいいと思う。

一生懸命早起きして並んで、関係ないといわれたら、あんたどう思うんだ。

といってやりたかったが

別にそこで不満を訴えなければならないほどの順番じゃなかったので、

おとなしく開場を待ってみる。

努力の甲斐あって割りと見通しのよい席が確保された。

とりあえず軽く腹ごしらえをしてから

PUFFYを見るべくアーステントに。

一杯ですでに入場規制。忘れてた、そういうの。

外にいて音だけでもと思ったが、それすらままならず結局退散することに。

レッドではMIYAが歌っていた。

まったり気分は私たちが現在求めているものではなかったので

そうそうにSUNへ移動する。

ものすごく盛り上がっている。

KEMURIだ。

▼KEMURI

曲とか知らないしなーと思いつつ、しかも途中だったけど、全然知ってた。

飛び魚みたいに人が跳ねている。

私はダイブした人が帰ってくる通路の近くにいたので

色んな人を出迎える形になったのだが、

女の子が混ざっていたことにびっくりした。

ふみお氏が結構オジサンだったのにもびっくりした。

ハーフパンツの下から伸びる足に何か甲冑?

みたいなのを履いてるっぽかった。

まあ、後でそれが紋々だと知るわけですが。

ってか甲冑ってありえないし。

お約束のATO ICHINENは盛り上がりすぎ。

お陰で一気にテンションが上がる!

テンションが上がる!も、KEMURI終了後から休憩と決めていたので

昼寝しにテントに戻ってみる。風が気持ちいい。

でもなかなか眠れないのでとりあえず横になってて

ウトウトしかかった所にDragon Ashが。

▼Dragon Ash

ってここで書くまでもなく、見てなくて聞いてただけですが。

今回は聞いただけレポも多そうだ。

一曲目が「Life Goes On」。ベタでありがたい。

で、一瞬私が落ちてしまったのだが、また「FANTASISTA」で

上げてきたのでまた目が覚めてしまった。

今流行の聞きやすいHIPHOPってこういう事なのかなーって

ぼんやり思う。

もう一人の相方にジンギスカンに誘ってもらったので、

ありがたくご相伴。ホクレンの屋台を目指し

歩いていると軽快なスウィング+ロック的な音が。

勝手にしやがれである。

人大杉。これまでで最多の人の入り。

チームジンギスカンタワレコのアンケートに夢中になっていたので、

すでにアンケートを終了していた私は、

しばし勝手にしやがれを見る。

勝手にしやがれ

初見のときはミナミホイールだったので、

そのときの感想はこちらに。

私の感じたことは間違ってなくて、やっぱりフェスで見た方が

ずっとカッコいいし、風格があふれている。

このぐらい開放感があって、人がいないと引き立たない。

「スローなブギにしてくれ」のカバーに感激しつつ、

ドラマーの武藤氏に釘付けになる。いい声をお持ちである。

新作である「ロミオ」も相当いい調子で、

観客の中にはチバの登場を願っていた人が少なくなかったと思うけど、

私は武藤氏がいい。

北海道の食を味わうことを諦めていた私にとって

願ったり叶ったりだったジンギスカン

で、焼いてると風に乗って聞こえてくるのは妖怪坂本の声!

とりあえず食べ終わってすぐに砂地をダッシュしてみる。

ゆらゆら帝国

正直見れると思っていなかったので、ゆらゆら帝国で考え中と、

グレープフルーツちょうだいしか聞いてなかったのだけど、

たまたま聞けたのがこの2曲。

普通に好みの音だったので、今後注意してみるようにしようと思う。

ホントにある意味ビジュアル系。 

で、またもや休憩のためにテントに帰る。今度こそ寝られそうだ♪

が、SUNで始まったのはPE’Z

一曲目はすごく知ってる曲だったけど、

大してテンションが上がらなかったのは

疲れていたからに違いない。そのまま寝てみる。

うつらうつらしてるうちに
PE’Zが終わって、

転換の間にうまく落ちれたので30分ぐらい寝る。

相方のなぁとはここでやっと起き出し、

MADを見に出て行ったが、私は横になったまま。

MADは思ったよりうんとポップで

聞きやすかった。でもうつらうつらしちゃった。

このあと散歩しつつ、食べたりした。

JTBのカウンターでオニオングラタンスープもらった。

かなり時間があったので携帯充電とかもこの間にしたと思う。

でも覚えてない。

これからが私たちの本番。疲れたなんて言っていられない。

気合一発目はZIGGY

アーステントは入場規制でお馴染みなので、早々に行って待機する。

かなり開場が空いていたので、

みんなにも見に来るようにお勧めしてみたり。

革ジャン率、年齢層、ARBTシャツ着用率共に高い。

▼ZIGGY

今回のベストアクト。あのころと何も変わらない森重氏は最高だ。

私のカラオケの十八番であり、好きな曲でもある

I’M GETTEN’ BLUEが早々に。

イントロで鳥肌だったが、さらに出だしからいきなり大合唱に毛羽立つ。

全くキーを外さず、完璧に歌い、

服装・髪型ともに変わらない森重氏に涙ぐみながら

続く現行ZIGGYの曲、さらに「ジェラシー」と鳥肌ナンバー。

満を持してのGLORIAは一気にテンションも上がり、最高潮。

もちろん大合唱。

カラオケで歌い続けてよかった歌詞全部知ってた!楽しい!

歌えたから楽しかっただけではない。

完璧な演奏、森重氏・松尾氏のかっこよさ、

それがあったからなお一層楽しかったわけで。

みんなが歌える歌ってのがこんなにも力を持っているなんて思わなかった。

合唱するの、賛否両論あるみたいだけど、

わたしはそれも醍醐味だと思うので

むしろ賛成である。

ここで一気に何かを使い果たした感のある我々。

ここで相方なぁととは別れ、

彼女はBuffalo Daughterへ、

私はそのままTHE NEAT BEATSに。

観客にやたらTMGEグッズを持ってる人が多いのが目に付く。特にタオル。

みんな目当てはキューちゃんなのか。

何だかダウンしてしまったので2曲だけ聴いて、テントに戻ることに。

ついでにアーステントからSUNまでどのくらいかかるか時間を計ってみる。

人が電気グルーヴに流れてしまっているためか、

閑散としていて、8分で到着。

ここからは確実にロティカを見れるように考え方をシフトしていく。

東京スカパラダイスオーケストラ

みんなのお待ちかねであり、ある意味トリのスカパラ

正直展開マンネリしてきた気がする。

ALL OR NOTHINGから5DAYSTEQUILAの流れは

すっかりお決まり。せめて曲順変えたりしてほしかったのと

フェスでcall from RIOはいらなかったりとか。

まあ、なんだかんだ言っても今回はある意味大森ナイトだったので良し。


で、最後まで温存するためにもう一回寝る。

ここからセッティングその他のため

SUNが静かだったので30分ぐらい落ちれた。

BUMP OF CHICKENが始まる。

テントの中で寝ながら聞いてみる。

ちょっと勉強したので楽曲は割とわかった。

ライブは文化祭並でも、いい声してるなー藤くんは。

切なげなね。夜中1時から天体観測というまたまた小粋な選曲で。

私の好きなグロリアスレボリューションをやってくれて、非常に心地よい。

まだテンションをあげる気力が残っていることを確認する。

午前3時前。

我々はテントから這い出していよいよピリオドの向こう側を目指す。

もっと寒いかと思ってたけど意外に耐えられそう。

今回の一番忙しいポイントである

渋さ知らズロティカの流れを

何としても死守したいとそればかり考えていた。

渋さ知らズオーケストラ

初見の感想はこんな感じなのだけど、

やっぱりフェスの大舞台でこそ良さが光るといった感じか。

いきなり火男でぐぐっとテンションをあげてくる。

割と空いてたフリーゾーンに一気に人がなだれ込んでくる。

見なきゃ損だ、確かに。またまたサークルが何個も出来ている。

続いて本多工務店のテーマ。これまたテンションが高くなる。

火柱が上がってるみたいなテンションのあがり方で圧巻。

映像もちゃんと用意してくれているあたり嬉しい。

で、ロティカを確実に見る事に照準を合わせているため

渋さはこの辺で終了して

腹ごしらえを軽くしつつ。

私は深夜・早朝は食べられない体質なので、豚汁を食べたのだが

注文するときに「ぶたじるください。」といったところ、

そこの屋台の周りにいた人が

一斉に話し掛けてきてびっくりした。質問はみな同じ。

「どこからきたの?」

ああ、関西弁丸出しでしたか。そうですか。

珍獣扱いされるの嫌じゃないので

「大阪です、明日帰ります」と普通に答えて、

その他ここにしかない食べ物、珍しいものを色々

紹介してもらったのはいいけど、

とりあえず食べられないので適当にあしらって

豚汁を頂いた。足止めを食った!と思い急いだところ、

何となぁともラーメン製作に

手こずられたみたいで、ほぼ同時にテーブルに。

しかしこの時間からラーメン食べられるの、本当にうらやましい。

私も食べたかったよ、ラーメン。

そしてアーステント

いよいよオーラス。まだ閑散としている。

みんなオリジナルラブなのかな。

ロティカのほうが絶対面白いのに。

同行していた私となぁと以外のメンバーも全員オリジナルラブ

キワモノ扱いされてるのだろうか。

ニューロティカ

私のネ申であるあっちゃんは88Rで登場。後にピエロ。

久しぶりに見るあっちゃんは

また頭髪が一層悲しいお知らせであった。

ピエロで出てきてくれるたびに涙が出そうになる。嬉しい。

曲も東京ハレンチ天国とかサル手品とか割と新しいナンバーが続いて、

客もあまり盛り上がってなくて(疲れているのか)

個人的にも下がりかけたときに

やっぱりやってくれたDRINKI’N BOYS!!

私はここで壊れないつ壊れんねん!

とばかりにちょっとだけモッシュゾーンに。

頑張った20代後半。

ま、一曲で脱落するわけですが。

もちろんチョイスで会おうぜもあり

(この曲が一番好きだ。でも正直ここでやるかどうかわからなかった。)

絶ピンもあり(パラパラ、忘れていたすっかり。

でも私の前にいた女性がかなり完璧に踊っておられたので

真似してたら少し思い出した)

さらにアンコールで

いい男になろうぜいい女になろうぜア・イ・キ・タもあり!

MCもいつもながら同情を誘うもので

「お金をかけてない氣志團」に納得。

氣志團がニセモノだというよりも、ロティカが本物である事を確信した。

最後にロティカでよかった!

テントに帰る道すがらオリジナルラブ「朝日の当たる道」

「接吻」が聞けたのでお得感満載。

荷物をまとめていたら、終演後1時間しかバスが走らないという事実発覚!

もっとゆっくり出来ると思っていたのに大きな罠が!

だって飛行機の時間まで何時間あるんだよ!

オリラブ御一行様がダウナーな状況で帰還。

まあ、この時間帯でまったりするとキツいですな。

そこからは(´Д⊂ モウダメポ。一気に疲れが押し寄せて、

空港で難民状態。

飛行機に乗ってからも爆睡。

大阪に着いたらまた普通に体が起きてきたけど、

それから一週間経った今も、まだ疲労が抜けきってないあたり、

エゾマジック。

今回のベストはZIGGY→渋さ・岡村ちゃん→ロティカといったところでしょうか。

見落としたものとか、時間的に見られなかったものとか色々あったと思いますが、

もっと食べ物に執着すればよかったかなとやや後悔も残りつつ。

来年…今は何も考えられない…